鎌倉ただ一つの真宗寺院
- 宗派 浄土真宗西本願寺の末寺
- 山号 亀甲山 院号 法得院
- 建立 1232(貞永元)年
- 開山 成仏(北条泰時の末子)
- 本尊 阿弥陀如来
行き方 大船駅から徒歩13分 北鎌倉駅から徒歩20分程度
バスの場合、大船駅から江ノ電バス勤労会館下車5分
駐車場 完備 拝観料 支納
北条泰時の末子泰次は出家して成仏と称し、はじめ天台宗でしたが、親鸞に巡り会って帰依し、鎌倉の北のこの地の亀の窟という洞窟に籠もって修行、その地にこの寺を創建したといいます。
その後も北条氏出身者が7代にわたって住持になったそうですが、浄土真宗は後北条氏の時代になると、弾圧されたため鎌倉を離れ、一時伊豆に移り、1612(慶長17)年にこの地に戻りました。
鎌倉ではすべての浄土宗寺院が弾圧のため他に移りましたが、成福寺だけはこの地に戻って再建されたため、今では鎌倉で唯一の浄土真宗の寺院となっています。

境内には成仏が籠もったという亀の窟の跡や、市の天然記念物ビャクシンなどがあり、古いお寺であることがわかります。本堂には木造地蔵菩薩立像、16歳の聖徳太子像などの文化財がありますが、公開されていません。
最も目を引くのは鎌倉でも少なくなった藁葺きの山門でしょう。これは江戸中期に建造された四足門で、横須賀線の車中からも目がつく、成福寺の目印になっています。


藁葺きの山門

山門の左手には、古い「親鸞聖人旧跡」の石碑と、右手に新しい石柱の標識があります。親鸞聖人旧跡とは、親鸞聖人が鎌倉に来たときにこの地にしばらく滞在したという伝承があるためです。
山門をくぐると左手に石仏と石塔、右側に六地蔵が並んでいます。
正面に見えるのが本堂、右手に立派な庫裏があります。
本堂の正面右手に梅の木を背にした親鸞聖人の立像がり、浄土真宗のお寺であることが分かります。




境内をめぐる
本堂の裏に見事な柏槇があり、鎌倉市の天然記念物に指定されています。また左手の墓地の中には、松竹映画の小津作品や、寅さんシリーズの柴又帝釈天の和尚役で知られる笠智衆さんの墓があります。




墓地の山際に、いくつかの洞窟が口を開けています。もとは「やぐら」であったと思われますが、このうちのいずれかが、本寺の開基とされる成仏が瞑想した窟なのでしょう。


梅の季節
成福寺は、2月の梅の季節になると、本堂や山門付近に紅白の見事な梅が咲きます。本数は少ないのですが、古寺の中で人知れず咲く梅もまた春の訪れを知らせてくれます。








夏と秋

