鎌倉の日蓮とも関係の深い古刹。小さいながら味わいのあるお寺です。
- 日蓮宗
- 山号 弘延山
- 開山 日昭
- 鎌倉市材木座4-3-1
- 行き方
鎌倉駅東口バスロータリーから京急バス九品寺循環
五所神社下車 3分
日蓮の高弟 日昭の開山

山門は「薬医門」と言われる形式で、瓦葺きの立派な物です。

門柱右側に「日昭尊者濱法華堂霊跡」とあります。日昭とは、日蓮が鎌倉で布教したとき、最初の弟子となった人で、自分の屋敷に法華堂を建てたのがこの寺の始まりで、「濱土の法華堂」と言われました。
日昭は後に六老僧の一人とされている日蓮宗では重要な僧侶です。その門流は日昭門流と言われています。濱土法華堂は、後に日蓮宗の本山の一つである妙法華寺として静岡県三嶋に移転し、その跡地が実相寺となったのです。
日昭の墓は、本堂の裏手の山腹に残されています。最後に廻りましょう。


この日昭は、実は工藤祐経の孫にあたる武士でした。つまりここは工藤祐経の屋敷だったのです。
・曾我兄弟に討たれた工藤祐経
工藤祐経は、あの曾我兄弟に仇として狙われ、ついに「富士の巻き狩り」のときに討たれてしまった人物です。
しかしここでは大きな声で工藤祐経を悪人のように語るのは避けた方が良いでしょう。
境内

古い日蓮宗の、質実な感じのする境内です。正面の戸は閉まっており、中を拝観することはできませんが、本尊の日蓮上人像や日昭上人坐像などが祀られています。
4月に訪ねると、本堂の右手に鮮やかな紫の、松葉ボタンが咲いているでしょう。

狭い境内は質素で、派手さはありませんし、また住宅の間にあるので幽玄な感じはありませんが、いかにも街中の寺のような、なんとなく落ち着いた雰囲気があります。




日昭の墓
本堂の裏手の墓を抜けて行きます。



右手の石碑には、開山大成辨院日昭聖人とありました。